選挙あるある言いたいよ~


ぽんぽこ村の村長


「多くの人の投票によって、多数決でだれか一人を選出する」ということを考えましょう。
都知事選をモデルに考えてもいいのですが、なんかリアルだし、住民票が千葉にある僕には関係のないことみたいなので、地球のどこか片隅にひっそり存在している、「ぽんぽこ村」の村長選について考えていきます。
ぽんぽこ村は、たくさんのかわいい動物が暮らしている、統計の話をするのに奇跡的にぴったりな村です。

人口:∞匹
候補者:二人 (トラんぷ、くりん豚)
投票所:一か所

つまり、∞匹の動物たちの票が、一つの箱の中に入っていて、その中身はよーくかきまぜられていると仮定します。
(統計の言葉で言うと、無限母集団、完全なランダムサンプリングを仮定します。)

さて、∞匹の投票が終わり(終わるわけはないですが…)、これから開票が始まります。
トラんぷ、トラんぷ、くりん豚、くりん豚、トラんぷ、…
どれくらいの票を開ければ、どっちが当選するかがわかるでしょうか?

5票開けた時を考えてみます。5票の組み合わせはどんなパターンが考えられるでしょうか?やってみます!!
これを全パターン続けます。(10文字ぐらいですぐ、虎がゲシュタルト崩壊しました。)
やってみてわかったのですが、パターン数は全部で32通りです。
そのうち、
トラんぷが5票 (くりん豚が0票) …1通り
トラんぷが4票 (くりん豚が1票) …5通り
トラんぷが3票 (くりん豚が2票) …10通り
トラんぷが2票 (くりん豚が3票) …10通り
トラんぷが1票 (くりん豚が4票) …5通り
トラんぷが0票 (くりん豚が5票) …1通り
でした。
ここから何が考えられるでしょうか???


トラんぷとくりん豚が引き分けだったら???


ここで、重要な仮定を一つ考えてみましょう。
「トラんぷとくりん豚が実は引き分けだった場合」
を考えてみます。投票箱

 

トラんぷとくりん豚が引き分け、つまり、全票の中の二人の票の割合が同じだとします。
すると、5票開けた時点での票の組み合わせは、さっき書き出した全32パターンがすべて同じ確率(つまり、32分の1)で現れます。
では、5票開けた時点では一体、何票が、どのくらいの確率でトラんぷに投票されていると考えられるでしょうか?
5票のうち、5票ともトラんぷに投票されているパターン(虎5:豚0)は、1通りでした。つまり、32分の1の確率でこのパターンが起こるということです。同じようにみていくと、

組み合わせ 確率
虎5:豚0  1/32
虎4:豚1  5/32
虎3:豚2  10/32
虎2:豚3  10/32
虎1:豚4  5/32
虎0:豚5  1/32

となります。
どういうことでしょう???

先ほどの仮定「トラんぷとくりん豚が実は引き分けだった場合」が正しいとすると、5票だけ開票したらトラんぷに5票入っていたという状況は、32分の1(3.1%)の確率でしか起こらないということです。
では、もし実際に5票ともトラんぷだったら、どうなのでしょうか?
「トラんぷとくりん豚が引き分け」という仮定のもとだと、3.1%の確率でしか起こりえないことが起こっていると考えられますね。
そんなことは実際に起こるのでしょうか?
3.1%の確率が起こったと考えるよりは、もともとの仮定であった、「トラんぷとくりん豚が実は引き分けだった」が間違いなんじゃないかと考えた方が現実的ですね。対立仮説の採択

こうして、もとの仮定が間違っていたと考え、「トラんぷとくりん豚の得票率が違った」つまりこの場合は、「トラんぷの方が得票率が高かった」と言えるのです。
こうして、開票たった5票でも、(ほぼ)当選確実と言えるのです。(間違っている可能性は、3.1%です。)

>>>next: 2/3 勝負はもっと開票しないとわからない?

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